インテリアデザインにおいて、窓は光と風を取り入れ、外の景色を切り取る「額縁」としての重要な役割を果たします。しかし、その一方で、窓の存在が空間のデザイン的な可能性を狭めてしまうことがあるのも事実です。窓の配置や大きさによっては、壁面が細切れになり、空間の連続性が損なわれたり、家具のレイアウトに制約が生まれたりします。そこで、より洗練された、統一感のある空間を創り出すために、あえて「窓をなくす」という選択肢が、デザイン性を重視するリフォームにおいて注目されています。例えば、リビングルームの中心となる壁面を考えてみましょう。ここに中途半端な大きさや位置の窓があると、その壁面を主役にしたインテリアコーディネートは非常に難しくなります。テレビを置いても窓が映り込んで見づらかったり、アートを飾ろうにもバランスが悪かったりします。この窓をなくし、一枚の広やかで美しい「壁」を創り出すことで、その壁は空間のフォーカルポイント(視線が集中する場所)へと生まれ変わります。そこに、質感のあるアクセントクロスを張ったり、美しい木材のパネルを施したり、あるいは間接照明を仕込んで光の陰影を楽しんだりすることで、空間の質は劇的に向上します。大型のテレビを壁掛けにすれば、まるで映画館のような没入感のあるシアタースペースを創り出すことも可能です。また、ミニマルで静謐な空間を追求するデザインにおいても、窓をなくすことは有効な手法です。情報量の多い外部の景色を遮断し、壁と光と家具だけで構成されたシンプルな空間は、住む人の心を落ち着かせ、瞑想的な時間をもたらします。採光は、高窓(ハイサイドライト)や天窓(トップライト)といった、視線が直接抜けない場所から間接的に取り入れることで、より柔らかく、質の高い光を室内に満たすことができます。寝室においても、不要な窓をなくすことで、外からの光や音を完全にシャットアウトし、睡眠の質を高めるための理想的な環境を整えることができます。そして、生まれた壁面には、ベッドヘッドと一体化した造作家具を設え、ホテルのスイートルームのような上質な空間を演出することも夢ではありません。もちろん、光や風という窓の恩恵は計り知れません。