門扉リフォームを検討する際、多くの方がまず思い浮かべるのは、左右に開く「開き戸」タイプかもしれません。しかし、敷地の条件やライフスタイルによっては、「引き戸」タイプの門扉が、毎日の暮らしに驚くほどの快適さをもたらしてくれることがあります。引き戸の最大のメリットは、門扉を開閉するための前後のスペース、いわゆる「開きしろ」が不要である点です。開き戸の場合、門の内側か外側に、扉が動くための半円状のスペースが必要になります。そのため、門のすぐ前が道路で交通量が多かったり、門の内側に駐車スペースや玄関アプローチが迫っていたりすると、扉を全開にできなかったり、開閉時に人や車に気を遣ったりしなければなりません。その点、引き戸はレールに沿って横にスライドするだけなので、門の前後の空間を全く使いません。これにより、敷地を最大限に有効活用することが可能になります。例えば、これまでデッドスペースになっていた場所に、自転車を置いたり、プランターでガーデニングを楽しんだりすることもできるでしょう。また、バリアフリーの観点からも引き戸は非常に優れています。開き戸のように、扉を開けるために自分が一歩下がる、といった動作が必要ないため、高齢者や車椅子を利用する方、ベビーカーを押している方でも、スムーズかつ安全に出入りすることができます。坂道に面した敷地でも、扉が勝手に開いたり閉まったりする心配がないため安心です。デザイン面でも、最近の引き戸は進化しています。かつては工場や駐車場のゲートのような無骨なイメージがありましたが、現在では木目調のスタイリッシュなものや、住宅のデザインに調和する洗練されたものが数多くラインナップされています。開き戸に比べて構造がシンプルなため、モダンですっきりとした外観を演出できるのも魅力の一つです。もちろん、デメリットもあります。扉を引き込むためのスペースが、門の横に必要となるため、敷地の幅に余裕がないと設置できません。また、一般的に開き戸に比べて製品価格や施工費用が高くなる傾向があります。しかし、毎日の出入りがストレスフリーになる快適さや、敷地を有効活用できるメリットを考えれば、その価値は十分にあると言えるでしょう。
引き戸タイプの門扉がもたらす快適生活