「窓をなくす」リフォームは、断熱性や防犯性の向上、家具レイアウトの自由度アップなど、多くのメリットをもたらします。しかし、その一方で誰もが懸念するのが、「部屋が暗くなってしまうのではないか」「空気がこもってしまうのではないか」という採光と換気の問題です。窓本来の重要な役割を失うことになるため、そのデメリットを補うための工夫や対策を、リフォーム計画に必ず盛り込むことが成功の鍵となります。まず、採光の問題を解決するための工夫です。窓をなくすことで失われる自然光を、他の方法で補う必要があります。最も直接的な方法は、照明計画を見直すことです。部屋全体を均一に照らすシーリングライトだけでなく、壁や天井を照らして光を拡散させる間接照明や、手元を明るくするダウンライト、スタンドライトなどを組み合わせることで、空間に明るさと奥行きを生み出すことができます。調光・調色機能のある照明を選べば、時間帯や気分に合わせて光の雰囲気を変えることも可能です。また、物理的に光を取り込む方法として、隣の部屋との間の壁に「室内窓」を設けるというアイデアもあります。これは、壁の一部にガラスをはめ込んだもので、廊下や隣室からの光を、窓をなくした部屋へと導くことができます。デザイン性の高い室内窓を選べば、インテリアのアクセントとしても効果的です。さらに、部屋の内装を明るい色で統一することも、空間を明るく見せる上で有効です。壁や天井のクロスを白やアイボリーといった反射率の高い色にしたり、床材を明るい色のフローリングにしたりするだけで、少ない光でも部屋全体が明るい印象になります。次に、換気の問題です。窓からの自然な風通しがなくなるため、機械的な換気設備で空気の循環を計画的に行う必要があります。最も簡単な方法は、換気扇を設置することです。特に湿気がこもりやすい部屋であれば、24時間運転可能なタイプの換気扇が有効です。また、最近の住宅には24時間換気システムが義務付けられていますが、リフォームを機に、より高性能な熱交換型の換気システムを導入することも検討に値します。これは、排気の際に捨てられる室内の熱を回収し、取り込む外気にその熱を移してから室内に供給するシステムで、換気による熱損失を抑え、冷暖房効率を下げずに空気の入れ替えができます。