築十二年になる我が家のリビングは、長年連れ添ってきたゴールデンレトリバーの走り回った跡で、フローリングが至る所ささくれ立ち、光沢も失われていました。犬が滑って股関節を痛めないかという心配と、染み付いた匂いや汚れへのストレスから解放されたい一心で、私は床をタイルにリフォームすることを決意しました。最初は、タイルにすると部屋が冷たく無機質な印象になるのではないかと妻が反対していましたが、ショールームで最新の磁器質タイルを目にした瞬間、その美しさに二人で圧倒されました。私たちが選んだのは、六十センチ角の大型の大理石調タイルです。施工が始まると、古いフローリングが剥がされ、職人さんの手によってミリ単位の緻密な下地調整が行われていきました。タイルリフォームにおいてこの下地作りが最も重要だそうで、少しでも不陸があるとタイルの角が立ち、怪我の原因になるという説明を受け、プロの技術の深さに感動しました。一週間の工事を経て完成したリビングに足を踏み入れたとき、まず感じたのはその開放感です。大きなタイルの目地が少ないことで、視覚的に床がどこまでも続いているような錯覚を覚え、以前より部屋が二回りほど広くなったように見えました。何より嬉しかったのは、愛犬の反応です。滑り止め加工が施された防滑タイルを選んだため、大型犬が力強く踏み出しても滑ることなく、以前よりも安心して室内を歩き回れるようになりました。掃除の面でも劇的な変化がありました。犬の抜け毛やよだれ、散歩帰りの泥汚れも、スチームモップ一つで簡単に、かつ除菌まで行えるようになり、家事の負担が驚くほど軽減されました。冬の寒さを心配していましたが、蓄熱性の高いタイルは日中の日差しを取り込んで夕方までほんのりと温かく、床暖房を入れれば極上の温もりを感じさせてくれます。リフォーム前は「単なる床の張り替え」だと思っていましたが、実際には「生活の質そのもののアップグレード」でした。タイルという素材が持つ清潔感と耐久性、そして普遍的な美しさは、私たち家族と愛犬にとって、これ以上ない最高の住環境を形作ってくれました。今では床に座って愛犬と戯れる時間が、一日の中で最も幸せなひと時となっています。
大型犬と暮らすリビングを床タイルにリフォームした私の体験記