使われなくなった窓や、寒さの原因となっている窓をなくす「窓埋めリフォーム」は、住まいの快適性を向上させる有効な手段ですが、計画を進めるにあたって気になるのがその費用です。一体どれくらいの予算を見込んでおけば良いのでしょうか。窓埋めリフォームの費用は、主に窓のサイズ、建物の構造(木造、鉄骨など)、そして内外の壁の仕上げ材の種類によって変動します。一般的な腰高窓(幅約1.6メートル×高さ約1.1メートル)を一つなくす場合、費用相場はおおよそ十万円から三十万円程度と考えておくと良いでしょう。この費用には、いくつかの工事内容が含まれています。まず、既存の窓サッシを撤去し、それを処分するための「解体・撤去・処分費」が必要です。次に、窓があった開口部に新しい壁の下地を組む「木工事費」。そして、壁の中に断熱材を入れる「断熱工事費」がかかります。この断熱材の性能によっても費用は変わってきます。さらに、外壁側と内壁側を仕上げるための費用も必要です。外壁側は、周りの壁とデザインを合わせるための「外壁工事費」がかかります。使用する外壁材が、一般的なサイディングなのか、あるいはモルタル左官仕上げなのかによって、材料費と施工費が異なります。特に、既存の外壁と全く同じ材料が手に入らない場合は、似たデザインのもので補修するか、その面全体を張り替えるかといった選択によって費用が大きく変わる可能性があります。同様に、内壁側も、既存の壁紙(クロス)と同じもので仕上げるのか、あるいは塗装や珪藻土などで仕上げるのかによって「内装工事費」が変わってきます。これらの基本的な工事費に加えて、忘れてはならないのが「足場の設置費用」です。窓が高所にある場合、安全に作業を行うために足場を組む必要があります。この足場代が、十万円から二十万円程度、別途かかることを念頭に置いておく必要があります。ただし、外壁塗装など他のリフォームと同時に行うことで、足場代を一度で済ませることができ、結果的にトータルコストを抑えることが可能です。このように、窓埋めリフォームの費用は様々な要素によって決まります。正確な金額を知るためには、必ず複数のリフォーム会社に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを取って比較検討することが不可欠です。