住まいのリフォームを考える際、窓を新しくしたり、大きくしたりすることはよくありますが、その逆、「窓をなくす」という選択肢があることをご存知でしょうか。一見すると部屋が暗くなり、閉塞感が生まれるのではないかと思われがちですが、実は多くのメリットをもたらし、暮らしの悩みを解決する有効な手段となる場合があります。窓をなくすリフォーム、いわゆる「窓埋め」の最大のメリットは、住まいの断熱性と気密性を飛躍的に向上させられる点にあります。家の中で最も熱が出入りしやすい場所は窓です。特に古い住宅の単板ガラスの窓は、冬は冷気を室内に伝え、夏は日射熱を取り込んでしまうため、冷暖房の効率を著しく低下させる原因となります。この窓を壁にすることで、熱の出入りが大幅に遮断され、夏は涼しく冬は暖かい、快適で省エ-な室内環境を実現できます。光熱費の削減にも直結する、非常に効果的なリフォームです。また、壁面が増えることで、家具の配置の自由度が高まるというメリットもあります。これまで窓があったために置けなかった背の高い本棚やテレビボード、収納家具などを自由にレイアウトできるようになり、部屋の使い勝手が格段に向上します。壁一面を収納にしたり、趣味のアートを飾るギャラリースペースにしたりと、空間活用の可能性が大きく広がります。防犯性の向上も見逃せない利点です。窓は、空き巣などの侵入経路として最も狙われやすい場所の一つです。特に、人目につきにくい場所にある窓や、浴室・トイレの小さな窓は格好のターゲットとなりがちです。不要な窓をなくして壁にすることで、物理的に侵入経路を一つ減らすことができ、住まいの安全性を高めることに繋がります。一方で、窓をなくす際にはいくつかの注意点も存在します。当然ながら、採光や通風が失われるため、部屋が暗くなったり、湿気がこもりやすくなったりする可能性があります。そのため、他の窓からの採光は十分か、換気扇の設置や24時間換気システムの活用など、空気の循環を確保する代替案はあるかを慎重に検討する必要があります。また、建築基準法では、居室には一定の採光面積が義務付けられています。