住まいの快適性や防犯性を高めるために「窓をなくす」というリフォームは有効な手段ですが、実はどんな窓でも自由に撤去して壁にできるわけではありません。私たちの住まいは、安全で健康的な生活環境を確保するために、「建築基準法」という法律によって様々なルールが定められており、窓の設置についても例外ではありません。リフォームを計画する際には、この法律上の規制を正しく理解しておくことが不可欠です。建築基準法では、私たちが「居室」として使用する部屋、つまりリビングやダイニング、寝室、子供部屋などには、健康的な環境を保つために、採光と換気のための窓(開口部)を一定の面積以上設けなければならないと定められています。これを「採光規定」および「換気規定」と呼びます。まず「採光規定」では、居室の床面積に対して、原則として七分の一以上の面積の「有効採光面積」を持つ窓を設けなければならないとされています。有効採光面積は、単なる窓の大きさだけでなく、その窓がどれだけ効率的に外光を取り込めるかを考慮して計算されるため、少し複雑な計算が必要になります。例えば、隣地との距離が近い場合などは、窓の面積がそのまま有効採光面積として認められないこともあります。次に「換気規定」では、居室の床面積に対して、原則として二十分の一以上の面積の、換気に有効な開口部(開け閉めできる窓など)を設けなければならないとされています。これらの規定があるため、例えば一つの部屋に窓が一つしかない場合、その窓をなくしてしまうと、その部屋は建築基準法上の「居室」とは認められなくなってしまうのです。その部屋を納戸やウォークインクローゼットのような「非居室」として使うのであれば問題ありませんが、これまで通り寝室や子供部屋として使い続けたい場合は、その窓をなくすことはできません。ただし、一つの部屋に窓が複数ある場合は、一つの窓をなくしても、残りの窓で規定の採光・換気面積を確保できれば、リフォームは可能です。このように、窓をなくすリフォームは、法律と密接に関わっています。素人判断で計画を進めてしまうと、法規違反の建物を生み出してしまうリスクがあります。
窓をなくすリフォームと建築基準法の関係