私たちの家は、住宅が密集する地域に建つ、ごく一般的な二階建ての住宅です。長年、冬の寒さには悩まされてきましたが、特に深刻だったのが北側に面した二階の寝室でした。そこには腰高の窓が一つありましたが、隣家がすぐ目の前に迫っているため、日中はほとんど光が入らず、カーテンは一年中閉めっぱなし。窓としての採光の役割はほとんど果たしていませんでした。それどころか、冬になると、その窓から冷たい空気が容赦なく流れ込み、まるで氷の壁がそこにあるかのように部屋全体を冷やし続けていたのです。暖房をつけてもなかなか部屋は暖まらず、毎朝布団から出るのが本当につらい日々でした。結露もひどく、窓枠やカーテンにはすぐに黒いカビが発生し、掃除の手間も大変なものでした。そんな時、家全体のリフォームを検討する中で、リフォーム会社の担当者の方から「この窓、なくしてしまいませんか」という意外な提案を受けたのです。最初は「窓をなくすなんて」と驚きましたが、よくよく考えてみると、その窓は私たちにとってメリットよりもデメリットの方が遥かに大きい存在であることに気づきました。光も入らず、風も通せず、ただただ寒さの原因となっているだけの窓。これを壁にすることで、寝室の断熱性が劇的に改善されるという説明に、私たちは強く惹かれました。工事は、まず既存の窓サッシを撤去することから始まりました。その後、外壁側と内壁側から、家の構造に合わせた下地を組み、断熱材を隙間なく充填していきます。そして、外側は周りの外壁材と色や質感を合わせたサイディングを張り、内側はクロスで仕上げて、工事は完了しました。壁に生まれ変わったその場所は、以前そこに窓があったとは信じられないほど、自然な仕上がりでした。そして、リフォーム後初めて迎えた冬、その効果は私たちの想像を遥かに超えるものでした。あれほど悩まされていた窓からの冷気が嘘のようになくなり、寝室は暖房の効きが格段に良くなったのです。朝まで暖かさが持続するため、寒さで目が覚めることもなくなりました。結露やカビの悩みからも完全に解放され、掃除の手間も減りました。さらに、壁になったことでベッドの配置が自由になり、部屋のレイアウトもすっきりとしました。不要な窓をなくすという、少し勇気のいる決断でしたが、それによって得られた快適さと安心感は、私たちの暮らしを本当に豊かなものに変えてくれました。